健康診断や人間ドックは、とりたてて自覚症状のない人でも、自分の身体の状態を知って生活習慣病を予防したり、顕在化していない病気を発見するために行うものです。検査項目としては、血圧、尿検査、血液検査、肺機能検査、胸部エックス線検査、心電図検査等々があります。たとえば、尿検査においては、尿糖、尿蛋白、尿潜血反応などを、血液検査では総コレステロールや血糖値などを調べます。もちろん、医師による問診も行われます。
検査項目の数や種類は、検査機関によってさまざまです。健康診断よりも、人間ドックのほうが検査項目が多く、また、オプションの検査をプラスすることも可能です。そして、検査の結果を、それぞれの項目ごとに、数値で表したり、異常の有無を言葉で示します。また、脂質代謝や糖代謝、肝機能、腎機能などを調べて、「異常なし」「経過観察」「要再検査」「要精密検査」などとの判定結果を示します。
健康診断や人間ドックの検査結果は、必ず保管しておく必要があります。そして、値の変化を比較してみます。たとえ安全範囲の中であっても、前回から大きく変化しているときは、注意しなければなりません。一例ですが、総コレステロール値が高くなっているというケースであれば、今の生活習慣を変えることなく続けていけば、今以上に数値が上昇し、高脂血症になる恐れがあるのです。
さらに、生活習慣病関連の検査項目の場合、出てきた値が安全基準の範囲を少し逸脱していても、「再検査」ではなく、「経過観察」と判定されることがあります。この意味は、治療をすぐに始めなければならないという緊急性はないが、生活習慣を改善する必要がある、ということです。生活習慣病は、心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こす誘因になりがちです。予防のためにも、生活習慣病には真摯に取り組む必要があります。